カテゴリー「植物」の13件の記事

2010年12月 2日 (木)

ザクロソウ(Mollugo pentaphylla


 今日は久しぶりに植物を紹介します。ザクロソウ(Mollugo pentaphylla)です。国分寺崖線下の4丁目にある、何も生産していない生産緑地に、畳半分位の広さで群生していました。


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ザクロソウの群落.畳半分位の広さがあった

午後に撮影したせいか、開いている花が無い

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/02)



 上部の茎に付いている葉は対生しており、花は子房が大きく5弁花なので、ナデシコ科かとも思いましたが、ザクロソウ科(Molluginaceae)でした。園芸種として有名なマツバギク(アフリカ原産)もかつてはこのザクロソウ科に含まれていました。しかし、現在ではハマミズナ科(Aizoaceae)の所属になっています。当時は、Aizoaceaeの和名はザクロソウ科でした。AizoaceaeからMolluginaceaeが分離し、和名はAizoaceaeがハマミズナ科、Molluginaceaeがザクロソウ科となった訳です。

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群落の周辺部.這う様にして拡がる

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/02)



 近縁種に、クルマバザクロソウがあります。ザクロソウの下部の葉は3~5輪生するのに対し、クルマバでは4~7と多く、また、葉の形は前者では細長い倒披針形ですが、後者ではもっと幅が広く特に下部では匙状になるのが普通の様です。茎にも違いがあり、前者には稜がありますが、後者にはありません。

 決定的な違いは、花の付き方です。ザクロソウでは、写真で明らかな様に、茎の先端に聚繖(集散)花序に付きます。これに対し、クルマバは腋生します。前者の花被片(萼)には中央に1本の脈がありますが、後者では更に周辺に沿って1本ずつ、全部で3本の脈があります。

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上の写真の右上部分を少し違う角度から拡大撮影

クルマバザクロソウとは異なり、花は頂生する

茎には分かり難いが稜が認められる

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/02)



 今日の写真は、今年の10月2日に撮ったのですが、色々な理由で掲載が遅れました。先ず、写真の群落の中に咲いている花が全くと言って良い程ありませんでした。開いている花は、最後の2枚の写真に写っている2輪だけでした。

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最初の写真の中央部を低い確度から撮影

虫はオオタバコガの5齢幼虫であろう

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/02)



 調べてみると、花は午前中には開いているが午後になると閉じる、とのことなので、カメラを持っていない時に確認したところ、確かに12時近くまでは咲いていました。2回確認したので、その後カメラを持って天候の良い日の午前中に出掛けたのですが、何故か全く開いていません。やはり、植物、特に草本の写真は花が沢山開いていないと、合格点は上げられません。

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2輪だけ咲いていた花。花弁ではなく花被片(萼片)

中央に1本だけ脈が認められ、周辺に脈はない

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/02)



 ザクロソウは、果実が熟すと、果皮が割れて中から真っ赤な種子がこぼれる出るそうで、これがその和名の起源とのことです。そこで、是非その赤い種子が見える割れた果実を撮ろうと思い、1ヶ月程経ってからまたカメラを持って見に行きました。しかし、何と、除草剤をかけられて写真の群落は勿論、他の草本も完全に枯れていました。和名の元になっている果実を撮影出来なかったのは、誠に残念でした。

 この2つの理由で、掲載を躊躇していたのです。

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同じ花を斜めから撮影.雄蕊は3本

花柱も3本の筈だが明瞭でない

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/02)



 来年まで待とうかとも思ったのですが、来年もこの様な大群落が出現する可能性はまず無いでしょう。3年前に掲載したオオケタデ(オオベニタデ)オオイヌタデは、その後全く見られません。また、未掲載で倉庫に眠っている植物の写真は他にもかなり沢山あります。

 そこで、写真としては些か不充分なのですが、これ以上在庫を増やすのも問題なので、思い切って掲載してしまうことにしたのです。


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2010年10月15日 (金)

イヌタデ(Persicaria longiseta


 今は草地になっているかつての第一成城七丁目ファミリー農園には、イヌタデ(Persicaria longiseta)のかなり大きな群落があります。イヌタデが占有する面積は、畳3枚分位はあるでしょう。中々綺麗で見事なので紹介することにしました。


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イヌタデの群落、画面全部イヌタデ

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/05)



 タデの仲間としては、これまでにオオケタデ(オオベニタデ)オオイヌタデを紹介していますが、これらが高さ1m以上もある大型の草本です。しかし、イヌタデは高くても精々50cmで、我が家の庭などでは20cm位のものもあります。

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別の所でもう少し拡大.アカマンマの名に相応しい

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/05)



 写真でお分かりの通り、ビッシリと咲いています。これだけ沢山咲いていればワンサと虫が来ると思うのですが、今年の秋は虫が少ない様で、思った程来ていませんでした(勿論、ある程度は来ており、今後紹介する予定です)。

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更に拡大.葉鞘の先に同じ程度の長さの縁毛がある

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/05)



 タデの花と云うのは、中々咲いているところを見る機会がありません。撮影に行った時には、花は沢山あるにも拘わらず、僅かに開きかけ(閉じかけ?)が見つかった程度です(下の写真)。

 花の咲いたところや、イヌタデの形態的特徴については、2年程前にもう一つのWeblogで詳しく書きました。興味のある読者は、其方を御覧下さい。

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イヌタデの花を等倍マクロで撮影.咲いている花は殆どない

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/03)



 此処では学名をPersicaria longisetaとしておきましたが、Polygonum longisetaとしているサイトもあります。かつてはタデ類はPolygonum属でしたが、この属は非常に範囲が広く、タデ類の他に、ミズヒキ、ミチヤナギ、イブキトラノオ、ウナギツカミ類、ソバ類、イタドリ類、ツルドクダミ等を含んでいました。余りに多様なので現在では幾つかの属に分け、タデ類はPersicaria属に入れるのが普通です。しかし、分類は確定して居らず、数10属に分ける研究者もあるそうです。なお、Polygonum属の和名は、今ではミチヤナギ属となっています。


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2010年5月 9日 (日)

ヤハズエンドウ(Vicia angustifolia)(カラスノエンドウ)


 黄金週間以来、7日金曜日を除いて好天が続いています。日中外出するには半袖でないと暑い位ですが、朝晩はまだかなり冷えます。寒がりの私としては、もう少し気温が上がって欲しいものです。

 さて、今日は「春の雑草」の今期最終回として、ヤハズエンドウ(Vicia angustifolia)を紹介します。カラスノエンドウと言った方が通りが良いかも知れませんが、標準和名はヤハズエンドウです。なお、今日の写真は今年撮影したものです。


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ヤハズエンドウの群落.成城駅西口から100m

(写真クリックで拡大表示)

(2010/04/26)



 花期は「春の雑草」としてはやや遅く、初夏まで咲いています。何処にでも生えている雑草で、上の写真は成城学園前駅西口から100m位しか離れていない空地で撮りましたが、かなり大きな群落を作っていました(他の写真は「四丁目緑地」で撮影)。

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同じくヤハズエンドウの群落.「四丁目緑地」で撮影

(写真クリックで拡大表示)

(2010/04/11)



 学名でお分かりの様にソラマメ属(Vicia)ですから、典型的なマメ科(Fabaceae、Legminosae)の花を着けます。ソラマメ属ですが、全体的な雰囲気はソラマメよりも別属(Pisum)のエンドウに似ています。

 同じソラマメ属の雑草であるスズメノエンドウやクサフジなど、何れもソラマメには似ていません。ソラマメは南西アジアの辺りを原産とする栽培植物ですから、一寸違うのかも知れません。

 ソラマメ属とエンドウ属でどう違うのか調べてみましたが、日本のエンドウ属は栽培種のみなので植物図鑑には検索表を含めて全く載っておらず、良く分かりませんでした。

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ヤハズエンドウの花とナナホシテントウ

(写真クリックで拡大表示)

(2010/04/11)



 花の大きさは、図鑑に拠れば「長さ12-18mm」とあります。しかし、視覚的に花と云う感じがする部分は直径1cm位です。ソラマメの花と較べるとずっと小さいですが、色はこちらの方が綺麗です。

 上の写真には、ナナホシテントウが一緒に写っています。このヤハズエンドウにはナナホシテントウの成虫ばかりでなく幼虫も沢山居ました。ナナホシテントウは、この様な草本植物に付くアブラムシが好きな様です。

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ヤハズエンドウの花.色が綺麗

(写真クリックで拡大表示)

(2010/04/11)



 ヤハズエンドウの「ヤハズ」とは矢筈で、弓矢の元にある弦を受ける部分のことです。下の写真の様に、葉の先端が少し窪んでいる(凹頭)ことから付けられたとされています。なお、スズメノエンドウでは、これが真っ直ぐに切った様(裁断頭)になっています。

 また、カラスノエンドウを漢字で書くと烏野豌豆で、烏之豌豆ではありません。これは支那大陸ではVicia属の植物を一般に野豌豆と呼んでいることから来ている様です。同じく、スズメノエンドウも雀野豌豆です。しかし、スズメノヒエは雀之稗、スズメノナスビも雀之茄子です。

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ヤハズエンドウの葉.先端が窪んで「矢筈型」になっている

(写真クリックで拡大表示)

(2010/04/11)



 今年紹介した「春の雑草」は、何れも正しく雑草的な草本ばかりでした。しかし成城には、春に咲く草本として、雑草ではなく野草と云うべき在来種もかなりあります。来年の春は、「春の雑草」ではなく「春の野草」にしようかと思っています。


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2010年4月25日 (日)

ナズナ(Capsella bursa-pastoris


 このところ用事があって忙しく、気が付くと1週間も更新をサボっていました。

 今日は、また昨年撮った春の雑草を紹介します。ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、通称ペンペン草です。何処にでも生えている雑草で、日本全土の他、世界の温帯、暖帯に広く分布しています。在来種、或いは、史前帰化種とされている様です。


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「四丁目緑地」のナズナの群落(昨年).今年は消滅していた

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 昨年掲載しなかったのは、上に示した群落になっている写真が気に食わないので、今年撮り直そうと思っていたからです。場所は「四丁目緑地」ですが、今年行ってみたところ、大きな群落は消滅しており、他の場所にも大きな群落は見当たりませんでした。そこで仕方なく、この写真を出すことにした次第です。

 このWeblog用の写真を撮りに出掛ける時は、何時も100mmマクロ1本しか持って行きません。この手の写真は100mmでは一寸撮り難いのです。

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ナズナの株.ロゼットから伸びた感じは無い

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 株を1本だけ撮ってみました。越年草ですからロゼットで冬を越しますが、オニタビラコキウリグサの様な典型的なロゼットではありません。上の写真でも、ロゼットから伸びた感じはありません。

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上から見たナズナの花序.蕾、開花中の花、萎んだ花、

果実が放射状に整然と並んでいる

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 ナズナは春に花の咲く雑草の中でも最もありふれた種類です。しかし、花序を上から接写をしてみると中々綺麗です。蕾、咲いている花、萎んだ花、果実が放射状に配列されています。

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花序の中心部を拡大.結構綺麗である

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 ナズナは勿論アブラナ科(Brassicaceae)に属します。昔懐かしい十字花科(Cruciferae)と云う言い方もあります。その名の通り、花弁は4枚で、十字形に配列されています。

 しかし、雄蕊の数は、先日紹介したミチタネツケバナでは4本でしたが、ナズナでは6本です。アブラナ科に属していても、必ずしも4の倍数ではありません。

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斜めから見たナズナの花.花弁は4枚、雄蕊は6本

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 ナズナは春の七草の一つです。私は食べたことはありませんが、ロゼット状のものは甘味があって結構美味しいらしいです。また、春浅い内は、茎や根も食べられるそうです。

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上から見ると花柱は果実と同じで扁平

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 薬効もあって、e-yakusou.comと云うサイトに拠ると、「4~5月ころ、未熟果がついたまま地上部の全草を採取して、風通しのよい場所で陰干しにして乾燥させ」、「高血圧、解熱、利尿、便秘、肝臓病、吐血、血便、血尿、生理不順、下痢などには、乾燥した全草1日量10~15グラムとして、約0.5リットルの水で半量まで煮詰めて服用し」、また、「目の充血、痛みには、乾燥10グラムを水0.2リットルで煎じて、ガーゼで濾してから洗眼し」、更に、「下痢、腹痛には、葉や根を黒焼きにして服用」する、と書いてありました。

 こうしてみると、このナズナ、最もありふれた雑草と雖も、中々馬鹿には出来ない様です。

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オマケにもう1枚.ありふれた雑草の花でも拡大すれば綺麗

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 昨日、今日と良い天気になりました。しかし、気温はかなり低めです。まだ、暖房を入れ、羽毛のジャケットを着ています。あと数日で春の黄金週間に入りますが、この気温を考えると、一寸信じられない気がします。


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2010年4月16日 (金)

ミチタネツケバナ(Cardamine hirsuta


 漸く春らしくなったと思ったのですが、昨日、今日と雨模様の寒い日が続いています。今朝7時の気温は4℃でした。気象庁の「過去の気象データ検索」で調べてみても、4月中旬でこんなに寒いのは、例外的な様です。

 それはさておき、今日はまた昨年撮った春の雑草を紹介します。ミチタネツケバナ(Cardamine hirsuta)です。アブラナ科(Brassicaceae)に属し、オオイヌノフグリヒメオドリコソウと同じく、これも帰化植物です。


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ミチタネツケバナ.帰化が報告されたのは1992年

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/15)



 撮影した場所は、国分寺崖線下の四丁目です。実は、今日の写真の中で、中程度の大きさで横から撮った写真の出来が良くないので、今年もう一度撮り直すつもりだったのですが、どういう訳か、今年は探しても見当たりませんでした。もう一年掲載を延ばす手もありますが、余り古い写真を抱え込むのも問題なので、もう紹介してしまうことにしました。

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ミチタネツケバナの果実は茎にくっ付く様に斜上する

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/15)



 タネツケバナの仲間には、このミチタネツケバナの他に、在来種のタネツケバナ、やはり帰化種のコタネツケバナ、アキノタネツケバナ等の他、多くの種類があり、中には判別のし難い種類もあります。しかし、ミチタネツケバナはかなり特徴的なので、容易に区別がつきます。

 植物全体の姿はタネツケバナに近いのですが、果実が茎にくっ付く様にして斜上する点が異なります。タネツケバナでは、もっと横に拡がりながら斜上します。

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ミチタネツケバナの花序.左下の花には雄蕊が5本ある

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/15)



 この様な違いは両方を較べないと分かり難いかも知れません。もっと明確な違いとしては、タネツケバナの雄蕊は6本ですが、ミチタネツケバナの場合はその多くが4本であることが挙げられます。必ずしも4本ではありません。上の写真を見ると、左手前の花には4本の雄蕊の他に成長不良の雄蕊と思われるものが1本写っています。

 また、タネツケバナの茎には細かい毛が散在しますが、ミチタネツケバナの茎は無毛です。

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ミチタネツケバナの花.余りチャンと開かない

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/15)



 ミチタネツケバナの花は、径5mm程度で肉眼的には目立たず、また余り綺麗とは思えません。しかし、拡大して見ると中々立派な花です。一寸、モクレンの花に似た雰囲気があります。尤も、アブラナ科ですから花弁は4枚で、モクレン程多くはありません。

 なお、ミチタネツケバナは、全農教の「日本帰化植物写真図鑑」に拠ると、「1992年に工藤洋らが既往の標本を調べて宮城県から日本海側にかけて本種の侵入を報告し、和名を与えた」とあり、かなり最近になって認められた帰化植物です。保育社の帰化植物図鑑は1976年出版ですから、当然ミチタネツケバナは載っていません。

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肉眼的には冴えない花だが、拡大すると中々綺麗

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/15)



 どうも私は、気分が天候に左右される性格なので、こう寒くて暗い日が続くと滅入ってしまいます。Weblogの更新も気が乗らなくなります。早く、暖かく明るい日が続く様になって欲しいものです。


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2010年4月 9日 (金)

キウリグサ(Trigonotis peduncularis


 今日は、春の野草の一つ、キウリグサ(Trigonotis peduncularis:キュウリグサ)を紹介します。これも、実は、写真は昨年の春に撮ったものです。昨年の今頃は非常に多忙で、写真を調整したり原稿を書く時間がありませんでした。

 場所は、これまでに春の雑草として紹介したオオイヌノフグリコハコベホトケノザ等と同じく、国分寺崖線下の四丁目です。


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ロゼットから茎を出して花を着けたキウリグサ

夕方で酷い斜光なのでストロボを使用

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 キウリグサは越年草(2年草)で、ロゼット状で冬を越し、春になるとこのロゼットから茎が伸びて花を咲かせます。上の写真は、丁度ロゼットから茎が出て来た所ですが、もう既に花を着けています。

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キウリグサの群落.崖線下の四丁目には沢山生えている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 次の写真は、もう少し伸びた状態。国分寺崖線下の四丁目にはキウリグサが非常に多く、写真の様に「密生」しているところもあります。

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キウリグサの大きな株.荒地に多い

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 キウリグサはかなり大きな株になります。上の写真では横に大部拡がっていますが、株としては1株です。これらの3枚の写真は、何れも同じ日に撮影しており、個体や場所により、生育の程度に大きな違いがあることが分かるでしょう。

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若い株の茎と花.緑色が鮮やか

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 茎の部分だけをもう少し近づいて見たのが上の写真。これはかなり若い株で、まだ横に拡がっていません。

 大きな株の茎は、下の写真の様に一寸違った感じになります。

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大きな株の茎と花.少し黄色味が強くなる

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 花序の先端がゼンマイ状に捲いているのが分かります。花序の先端を拡大してみました(下)。かなりシッカリと巻いています。虫に食われた様な花が写っていますが、これは花が咲き終わって萎む直前なのでしょう。

 しかし、この様に先端が捲くのは、キウリグサだけではありません。キウリグサの属すムラサキ科(Boraginaceae)には広く見られる形態的特徴の様です。

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花序の先端部.ゼンマイ状に捲いている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 以前掲載したハナイバナも、キウリグサと同じくムラサキ科の植物です。花の色は違いますが、その形はよく似ています。また、ワスレナグサもムラサキ科で、これは花の色を含めてキウリグサとソックリです。しかし、何れもキウリグサとは別属です。

 5枚の花弁がある様にも見えますが、ムラサキ科ですから合弁花で、1つの花冠が5裂しています。

 花は小さく、写真の花は何れも直径3mm前後です。同科のハナイバナでは2.5mmでしたから、それよりは少し大きいと言えます。しかし、保育社の図鑑を見ると、キウリグサの花冠は径約2mm、ハナイバナは花径3mmと逆になっていました。地域により違いがあるのかも知れません。

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キウリグサの花と捲いた花序の先端部

蕾状の花は赤味が差す場合がある

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/20)



 図鑑に拠ると、キウリグサの名は、茎葉を揉むとキウリの匂いがするので付けられたのだそうです。実際にやってみましたが、明確にキウリの匂いと言えるほどの香ではありませんでした。

 因みに、キュウリウオと云う魚が居ますが、これはハッキリとキウリ的な青臭い匂いがします(キュウリウオは体長30cm位になる北方の回帰性海水魚で、北海道以外では余り馴染みのない名前かも知れませんが、ワカサギ、シシャモ、カラフトシシャモなどは何れもキュウリウオ科に属します)。

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別の花序.開花した花、萎んだ花、蕾の位置関係が前の写真と同じ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/20)



 図鑑を見て少し驚いたのは、「タビラコ」がキウリグサの別名として載っていました。タビラコやオニタビラコ(この両者は名前は似ていますが別属)はキク科ですから、随分離れた間柄です。しかし、考えてみると、「タビラコ」は「田平子」で、冬の田や畑に見られる平らなロゼット状の植物を指して言うのだと思います。タビラコ(コオニタビラコ)やオニタビラコも、このキウリグサと同様に冬はロゼット状ですから、同じ「田平子」の名が付いてもおかしくないのでしょう。


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花は小さく、花径は約3mm.ハナイバナやワスレナグサの花と似る

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/20)



 なお、キウリグサを帰化植物としているサイトがあります。しかし、保育社の植物図鑑では「[分布]温帯、暖帯:北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・アジア」となっており、また、保育社や全農教の帰化植物図鑑、或いは、地人書館の「外来種ハンドブック」には載っていません。帰化種ではなく在来種の様です(史前帰化種の可能性はあります)。

 この辺り(東京都世田谷区西部)に生えている春の雑草で紹介していない種類はまだまだ沢山あります。どうも今年の春は天気が良くないので、中々写真を撮りに出かける気になりませんが、今の内にもう少し春の野草を紹介しておきたいと思っています。


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2010年4月 4日 (日)

オニタビラコ(Youngia japonica


 今年の「春の野草(雑草)」第2回目はオニタビラコ(Youngia japonica)です。しかし、これも写真は昨年の今頃撮ったものです。

 撮影したのは「四丁目緑地」ですが、この辺り(東京都世田谷区西部)ならば、道端を含めて何処にも生えている極くありきたりの雑草です。


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「四丁目緑地」に生えていたオニタビラコ

茎の高さは25cm程度と大きくない

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 多くは、茎の高さ30cmに満たない小振りな植物です。しかし、保育社の図鑑には「茎は直立し高さは20-100cm」と書かれていますから、かなり大きくなる場合もある様です。葉は羽状に深裂し、その殆どは下部に集まっていますが、茎にも小さな葉が付きます。


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咲き始めたオニタビラコの花

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 頭花の径は1cm程度、頭花は全て舌状花からなり、筒状花はありません。これは、キク科(Asteraceae、Compositae)タンポポ亜科(Cichorioideae)の特徴です。その舌状花も20を少し越える程度しか付きませんので、「花弁」の間に少し隙間が出来ているのが普通です。

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横から見たオニタビラコの花

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 この辺りの雑草と云えば、多くは帰化植物ですが、このオニタビラコは先日紹介したホトケノザ同様、日本の在来種です。図鑑に拠れば、分布は日本全土、中国、インド、ヒマラヤ、ミクロネシア、オーストラリアとなっています。

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オニタビラコの花.径は約1cmと小さく隙間が多い

花柱が個々の舌状花に対応しているのが分かる

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 その「ホトケノザ」の記事の中で、春の七草の一つに数えられている「ほとけのざ」は、現在ホトケノザと呼ばれているシソ科の植物ではなく、キク科のコオニタビラコのことである、と書きました。このコオニタビラコは何も形容の付かないタビラコとも呼ばれますが、今日のオニタビラコ(Youngia japonica)とは少し遠い間柄で、オニタビラコ(Yougia)属ではなくヤブタビラコ(Lapsana)属の植物です。この属の植物は、キク科としては珍しく痩果に冠毛がありません。オニタビラコの痩果には、勿論冠毛が付いていますが、かなり短めです。

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開花後、花柱が次第に起き上がる

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)




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オマケに同じ様な写真をもう1枚

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 今年に入ってからは、かなり精力的に更新して来たつもりですが、昨年の冬から春にかけて撮った写真がまだ残っています。しかし、もう4月も4日となり、越冬中の虫を紹介するには余り適当でない季節になってしまいました。余剰の在庫は来年に回すことになりそうです。

 もう一つのWeblog「我が家の庭の生き物たち」の方はかなり前からネタ切れ状態が続いています。しかし、こちらの方はまだまだ大丈夫です。当分の間、ネタ切れになる心配はありません。


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2010年3月31日 (水)

ホトケノザ(Lamium amplexicaule


 もう3月も終わりと言うのに、毎日寒い日が続いています。余り春らしい天候ではありませんが、今日は春の野草(雑草)を紹介します。シソ科(Lamiaceae)のホトケノザ(Lamium amplexicaule)です。

 今日の写真は昨年の今頃に国分寺崖線下の四丁目で撮影したものです。その時は忙しくて時間がありませんでしたので、1年後に掲載する次第です。


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ホトケノザ(中央)とヒメオドリコソウ(手前、左右)

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/20)



 ホトケノザは、昨年紹介したヒメオドリコソウと同じ様な所に生えています。何方も同じシソ科のオドリコソウ属(Lamium)ですし、この両者を間違える人も居る様です。しかし、並べてみればその違いは歴然としています。上の写真で画面中央がホトケノザ、手前や左右に写っているのがヒメオドリコソウです。

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ホトケノザ.茎を巻く葉を蓮華座に見立てた命名

春らしく少し明るめに調整した

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/21)



 このシソ科のホトケノザは、春の七草に出て来る「ほとけのざ」とは全然違う植物です。これはコオニタビラコ(小鬼田平子)のことで、キク科の植物です。シソ科のホトケノザは食用にはならないそうです(毒があると云う話が何処かで拡がったらしいですが、毒草ではありません)。

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同じ様な写真をもう一枚

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 ホトケノザは勿論漢字で書けば「仏之座」です。北隆館の「原色牧野植物大圖鑑」(普段は使わないので書庫から引っ張り出して来た)に拠ると、花部に付く茎を取巻いた葉を蓮華座に見立てた命名とのことです。写真で示した様に、茎を取巻く葉は数段あるので、サンガイグサ(三階草)と呼ばれることもあるそうです。牧野圖鑑には、この他、ホトケノツヅレ、カスミソウの別名も出ています。なお、これらの別名は、保育社の「原色日本植物図鑑」には載っていません。

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ホトケノザの上部を拡大.左右対称に咲いている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 春の雑草としてよく知られているオオイヌノフグリヒメオドリコソウは何れも帰化植物ですが、このホトケノザは在来種です。図鑑に拠れば、逆に北アメリカに進出し帰化しているそうです。

 この辺り(東京都世田谷区西部)の住宅地に生える雑草の多くは帰化種です。日本人としては、在来種を見るとやはりホッとします。

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花が咲き始めたホトケノザ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 ホトケノザの花を拡大してみました(下の4枚)。以前紹介した同属のヒメオドリコソウの花とよく似ています。図鑑の解説には「御ずいは4本で下の2本は長く葯は有毛」とありますが、写真では葯はひとかたまりになっています。4個の葯が縦に並び互いにくっ付いているのでしょうか。ヒメオドリコソウでは、葯は上下左右に明確に離れていました。或いは、開花の経過に伴って葯の位置が変化するのかも知れません。

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横から見たホトケノザの花

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)




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正面から見たホトケノザの花

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)




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下から覗いたホトケノザの花

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)




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斜めから見たホトケノザの花

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/19)



 今日は昼過ぎ迄は晴れ、との天気予報でした。しかし、9時過ぎには既に高層雲が出て高曇りになってしまいました。所謂花曇りですが、気温が低く寒々としています。寒さの苦手な私としては、早く暖かくなって欲しいものです。


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2010年3月24日 (水)

カジイチゴ(Rubus trifidus


 今日は久しぶりに植物を紹介します。最後に掲載した植物はツタバウンランで、昨年の3月30日のことですから、ほぼ1年前になります。植物には随分無沙汰をしてしまいました。

 植物部門再開の第1回目はキイチゴの1種、カジイチゴ(Rubus trifidus)です。開花は毎年3月中旬頃の様で、今はもう花期を若干過ぎた感じです。

 今日の写真は、一昨日撮影したものと、昨年の写真が一緒になっています。本当は、昨年載せるつもりだったのですが、花の写真ばかりで枝振りを撮った写真が無かったので、掲載を見合わせたのです。


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三丁目緑地に生えているカジイチゴ

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(2010/03/22)



 このカジイチゴは、昔から三丁目の国分寺崖線の彼方此方に生えていました。崖の上にも下にも少なく、崖の途中に多いので、傾斜地を好むのかも知れません。現在では、明正小学校の直ぐ横の「三丁目緑地」の中に特に多い様です。また、山縣邸の下の方にもかなり生えています。

 今日紹介するのは花だけですが、果実は5月頃橙黄色に熟し、小学生(明正小学校)の頃は、学校の帰りに「お茶坂」の脇に生えているのをよく食べたものです。飽食の時代に生まれた今の子供達は、屹度食べないでしょう。上の写真を撮った後で、お茶坂へも行ってみましたが、もうカジイチゴの姿は全く見当たりませんでした。

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カジイチゴの枝.もう咲き終わった花もある

(写真クリックで拡大表示)

(2010/03/22)



 写真を撮ったのは、「三丁目緑地」にある2つの泉の内、北西部にある方の直ぐ横の斜面です。林野庁宿舎の後に建てられたマンション、ガーデンコートの真裏に当たります。

 高さは2.5mm位もあり、かなり大型です。最初の写真は、株の先端部のみを示しています。全体像は、ワイドレンズを持って行かなかったのと地形の関係で、撮影できませんでした。

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2つの花を拡大.横に見える蕾は毛の多い萼に包まれている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/17)



 実は、「カジイチゴ」と云う和名を知りませんでした。子供の頃から、これを「キイチゴ」と呼んでいたからです。保育社の「原色日本植物図鑑木本編第2巻」で調べてみると、「キイチゴ」は、橙黄色の果実が着くナガバモミジイチゴ(R. palmatus)の別名となっています。

 しかし、「キイチゴ」とは、「黄苺」ではなく「木苺」ですから、キイチゴ(Rubus)属の木本植物全部がキイチゴとしての資格を持っていると言えるでしょう。因みに、キイチゴ(Rubus)属の多くは、その属名の示す通り(Rubus→ruber=赤い)、赤い果実を着けます(中には、ブラックベリーの様に充分に熟すと黒紫色になるものもあります)。

 カジイチゴの漢字名は、北隆館の「原色牧野植物大圖鑑」を見ると、「構苺」で、これはその葉がカジノキ(構)の葉に似ていることに拠るそうです。「構」の字を「カジ」と読むとは知りませんでした。最近は、カジノキは「梶の木」と書くのが一般的な様です。

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別の花.もう少し接近して撮影

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/17)



 このキイチゴ(Rubus)属、種間雑種が出来易いので、分類はかなり混乱している様です。しかし、カジイチゴの特徴はかなりハッキリしていますから、他種と間違える可能性は少ないのではないかと思います。

 托葉は葉柄に合生、茎は棘を欠き、葉は3~7中裂の掌状、若枝、葉柄、花柄は腺毛が多く、古い枝は無毛、枝の先に3~5花の聚繖(集散)花序を付け、萼には両面に密毛があること、等がその特徴です。しかし、保育社の図鑑には「他種との間に雑種がある」と書かれており、注意が必要な様です。

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別の花を更に拡大して撮影

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/17)



 カジイチゴの花は、バラ科(Rosaceae)の花らしく、花弁は5枚ですが、花弁には皺がよっており、余りパッとしません。しかし、中心部を拡大すると、多数の雌蕊の集合体を雄蕊が幾重にも取り巻いていて、中々見映えがします。中央に近い側に少し大きな葯が見えますが、これは、まだ葯がまだ反り返っていないので大きく見えるのだと思います。

 キイチゴ属の果実(槳果)は、多くの果実が一つに集まった集合果で、果実にあるモコモコ(粒々)が1つの果実に相当します。雌蕊が沢山あるのは、その粒々の1つひとつにそれぞれの雌蕊が対応しているからでしょう。

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上の花の中心部を等倍で撮影

(写真クリックで拡大表示)

(2009/03/17)



 今日は薄ら寒い雨模様ですが、もう確実に春です。これからは、少し春らしい雑草の花も合間に入れて紹介して行くつもりです。


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2009年3月30日 (月)

ツタバウンラン


 3月に入ってから、春の雑草としてオオイヌノフグリコハコベヒメオドリコソウの3種を掲載しました。しかし、何れも余りにありふれていて、書く方としても気が引けてしまう様な植物でした。そこで今日は、多少は陳腐でない植物を紹介しようと思います。

 ゴマノハグサ科のツタバウンラン(Cymbalaria muralis)、この辺りではこれまで見た記憶のない植物です。しかし、Googleで検索すると6,500位はヒットするので、決して珍しい植物ではない様です。


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不動坂下付近に咲いていたツタバウンラン

花の幅は1cm程度.右下に地上を這う茎が見える

(クリックで拡大表示、以下同じ)

(2009/03/21)



 咲いていたのは不動坂下近くにある電信柱の根元です。この辺りは傾斜地なので、石垣が多い所です。ツタバウンランはロック・ガーデンに植えることが多いそうですから、何処かこの近くの御宅で石垣にでも植えたのが逸脱して、電信柱の根元で咲いていたのかも知れません。

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もう少し近づいて見る.中々可憐な花

(2009/03/21)



 在来種ではなく原産は欧州です。大正元年にロック・ガーデン用植物として渡来したそうで、北海道と本州で野生化しているとのことです。ツタカラクサの別名があります。写真を見ても、茎が地上を這っているのが分かりますが、所々で不定根を出すのだそうです。その不定根により植物体を固定するので、ロック・ガーデンの様なところでも滑り落ちないで済むのでしょう。

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葉には浅い切れ込みがあり先は僅かに尖る

(2009/03/21)



 花は葉腋に単生します。オオイヌノフグリやコハコベなどよりは少し大きく、幅約1cmあります。花の形は、同じくゴマノハグサ科の雑草、トキワハゼによく似ています。ゴマノハグサ科植物の花には色々な形がありますが(先日のオオイヌノフグリもゴマノハグサ科)、何故か、こう言う形の花を見ると、如何にもゴマノハグサ科と言う感じがしてしまいます。

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ツタバウンランの花.雌蕊も雄蕊も見えない

(2009/03/20)



 保育社の帰化植物図鑑に拠ると、雌蕊は1個、雄蕊は4個だそうですが、花を外部から見ても雌蕊雄蕊は見えません。花の形(唇形花)の似たシソ科(例えばヒメオドリコソウ)やキツネノマゴ科の植物では、雄蕊は上唇にくっ付いているので良く見えます。同じ唇形でも、やはり科が違うだけあって、花の構造はかなり違います。

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横から見ると、花の後に距があるのが分かる

(2009/03/20)



 果実は球形で径5~6mm、真ん丸で下垂するそうです。種子は径1mmで基本的に球形ですが、図鑑を見ると、複雑な深い皺を持っています。


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オマケにもう1枚.花の下側から撮影

(2009/03/20)



 このツタバウンラン、花も葉っぱの形も気に入りました。果実の熟す頃になったら、種子採取を兼ねて、もう一度見に行ってみるつもりです。


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